NEW シリーズ「子どもだけじゃない!大人が受けておきたいワクチン(第2回目)」を掲載しました。

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子どもだけじゃない!大人が受けておきたいワクチン(第2回目)
現在、新型コロナウイルスのワクチンに注目が集まっていますが、実は、それ以外にも大人が受けておきたいワクチンというのがあります。
我々小児科の医師は日々、多くのワクチンを接種しており、ワクチンの専門家を自負しています。子どもさんだけでなく、海外渡航や新入学・入寮、また災害ボランティアへ行く方や園芸を趣味とされている方、シニアの方に、ご案内したいワクチンがあります。これらワクチンについて、連載形式でお伝えしていきたいと思います。

第2回目「不活化ポリオワクチン(IPV)」
ポリオとは、ポリオウイルスによっておこる感染症のことです。ほとんどは自然治癒しますが、一部の人に手や足の麻痺(まひ)があらわれます。この麻痺は一生治ることはありません。便を介して人から人に感染し、我が国でも1970年代までは流行を繰り返していましたが、経口生ワクチン(OPV)が導入されるとその数は激減。1980年の1例を最後に、野生のポリオウイルスによる麻痺患者は発生していません。
さて、生ポリオワクチンは劇的に我が国の患者数を減らしましたが、いっぽうで、「ポリオワクチン関連麻痺」という、生ワクチン中のポリオウイルスによる麻痺患者の発生が問題視されるようになりました。そこで、2012年9月1日から生ポリオワクチンの定期予防接種は中止され、不活化ポリオワクチン(IPV)の定期接種が導入されました。
海外では、依然としてポリオが流行している地域があり(パキスタン・アフガニスタン・ナイジェリアなど)海外からポリオウイルスが国内に入ってくる可能性はなくなったわけではありません。
特に、オリンピックや国際大会などの国際的マスギャザリング(一定期間、限定された地域において、同一目的で世界中から多人数が集合すること)はそのリスクが高くなります。

小さいころに生ポリオワクチンを2回受けている方は十分な免疫を持っていますが、昭和50年~52年生まれの方はその時使用されていた生ワクチンが不適切だったことにより、十分な免疫がついていない場合があることが知られています。折しも今年の夏に東京オリンピックが開催されます。該当される方は、この機会に不活化ポリオワクチンを1回追加接種しておくのが良いです。

また、不活化ポリオワクチンは、4~5歳で免疫力が低下してきてしまうため、欧米諸国では就学前ごろにもう1回、計5回の接種が標準とされています。しかし現在、日本では4回しか接種の機会がありません。したがって、日本小児科学会では、就学前の年長さんに1回追加接種することを勧奨しています。国内で4回しか接種をしていない方は、将来的に海外の大学に留学する際などに、5回目の接種を要求されることがほとんどです。

いずれも任意接種になります(不活化ポリオワクチン 1回7,800円)。該当する方は、オリンピック開催を機会に、一度接種を検討してみてくださいね。(文責:八木由奈)
2021年7月2日