小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する医学的知見の現状

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  • COVID-19患者の中で小児が占める割合は少なく、また、そのほとんどは家族内感染です。
  • 現時点では、学校や保育園における集団感染はないか、あるとしても極めて稀と考えられます。
  • 小児では成人と比べて軽症で、死亡例もほとんどありません。乳児では発熱のみのこともあります。
  • ほとんどの小児は、経過観察、または対症療法で十分とされています。
  • COVID-19に罹患した妊婦さんの分娩では、母子ともに予後は悪くありません。また垂直(母子)感染もまれです。
  • 学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆にCOVID-19死亡率を高める可能性が推定されています。
  • 教育・保育施設などの閉鎖が子ども達の心身をおびやかしており、また予防接種の機会をのがすと、VPD(ワクチンで予防できる病気)に罹患する可能性が高まります。子ども達にとっては、COVID-19に関連する健康被害のほうが深刻です。

これは、5月20日に日本小児科学会のウェブサイトに掲載された提言を要約したものです。
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会が、世界中の論文をレビューしてまとめたものです。本文はこちらからご覧いただけます。
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20200520corona_igakutekikenchi.pdf

新型コロナウイルス感染症に対する保育所・幼稚園・学校再開後の留意点について

  • 感染対策を徹底した上での学校再開であっても、誰もが感染する可能性があります。
    2020年5月22日に発出された『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜「学校の新しい生活様式」〜』(文部科学省)の内容を踏まえ、学校内での感染対策を続けていくことが大切であると考えます。しかしながら、学校での感染症対策を徹底したとしても新型コロナウイルス感染のリスクをゼロにすることは不可能です。地域の小児科や感染管理に関する医師と綿密な連携体制を構築し、刻々と変化する状況に対して適切な判断を行う必要があります。
  • 感染者や関係者が責められることのない社会を築きましょう。
    もし感染が生じた場合、対象となる学校関係者・保護者・園児/児童/生徒が差別、偏見、誹謗中傷、いじめなどで辛い思いをすることがないようにしなくてはなりません。新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識を持って、感染者に対しても偏見なく温かい思いで迎える社会を構築していく必要があると考えます。
  • 休園・休校が子どもや保護者、社会に及ぼした影響を考慮しつつ、より良い未来を築くためにみなさんで取り組みましょう。
    子どもの教育、福祉、健康の源である保育所・幼稚園・学校生活は、子どもにとって最も基本的かつ大切な活動です。休所・休園・休校の問題点としては、子どもの教育の遅れ、生活習慣の乱れ、運動不足、それによる体重増加、栄養の偏り、食環境の変化、家庭内での虐待の増加、保育所・幼稚園・学校での福祉活動の低下、保護者の就労困難・失業、祖父母などの高齢者との接触機会の増加などがあげられます。これから新しい行動様式の中で生活を始める子どもの変化に気づき、適切に対応するきめ細やかな心遣いが必要と考えます。

これは、5月26日に日本小児科学会のウェブサイトに掲載された提言です。原文はこちらからご覧いただけます。
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=116