八尾市高安町の小児科・アレルギー科、八木小児科 

入園後のかぜ

 4月も半ばを過ぎました!入園、入学、進級などされたお子さん方も、そろそろ新しい環境に慣れてきていらっしゃるころでしょうか・・・?

 この時期、入園したてのお子さんが園に通い始めたとたん、かぜをもらってしまい、受診されるというケースが多くなってきます。勇んで入園させたものの、月のうち半分以上もお休みということになるお子さんもおり、とてもがっかりされるお母さんもおられます。

 お子さんが病気をせず健康に通園しててほしいというのは、すべてのお母さんお父さんの願いですよね。しかし、お子さんが元気に通園できるようになるまでには、いくつもの病気をくぐりぬけていかなくてはいけない事実があるのも確かなのです・・。

 人間は、感染症と戦うためのいくつかの抵抗物質を体内に備えています。そして、いざ病原体が体内に入ってきたときには、体内の抵抗物質を総動員して、病原体と戦います。しかし、自分の体内でその抵抗物質を十分に作る、つまり免疫力ができるようになるには、生後3年から、10年かかるといわれています。生まれたての赤ちゃんには、この、抵抗物質を自分で作り出す能力がほとんどありません。そこで、赤ちゃんは、お母さんから、胎盤を通し、免疫グロブリンという抵抗物質をもらって生まれてきます。生後半年間は、このお母さんからもらった免疫力に赤ちゃんは守られるのです。このように、生後半年までの赤ちゃんは、感染症にかかりにくくなっています。

 しかし、そのまままったく病気をしないで生活することは不可能なのです。お母さんからもらった免疫力も、生後半年をすぎるとなくなってしまい、はじめて出会う病原体の攻撃を次々に受けることになるからです。その後は、かぜをひきながら、ひとつひとつ免疫力をつけてゆかなくてはいけません。昔から「子どもはかぜをひきながら大きくなる」といいますが、実際、大人になるまでに、子どもはいくつもの感染を経験していく必要があるのです。

 このように、お子さんにとって、感染というのは、避けることのできないものなのです。もちろん、はしか、風疹、おたふく風邪などは、ワクチンで免疫力をつけることができますが、風邪の原因になるウイルスは、数百種類もあるといわれているのです。このようなウイルスに対しては、ひかないことには免疫力がつかないしくみになっていますから、むしろじょうずにかぜをひくことは、免疫力をつけていくためにも必要なものともいえるのです。
 
 入園したてのお子さんを持つお母さん。すぐにかぜをひいてしまっても、あまりがっかりしないでくださいね。上手にかぜにかかり、上手に乗りきっていく方法を考えていってください。ひとつひとつ感染症を乗り越えることで、きっと半年後、1年後には、元気で通園できるだけの免疫力がついていますから!